
ドイツの学校制度〜マイスターまでの道のり
日本人である私達のドイツのイメージは、「もの作り王国」がピッタリですね。
しっかりとしたこだわりの逸品を誇らしげに差し出す頑固職人のいる国。これが、「Made in Germany」への信頼感へと繋がって行くのでしょう。
今回は、世界中からも「もの作りの王国」として君臨するドイツの職人教育とマイスター制度にフォーカスを当ててご説明します。
ドイツでは、満6歳から基礎学校(グルントシューレ)に入学します。この基礎学校の教育期間は4年間。この4年間を修了後、中等教育へと進みます。中等教育では学校形態の異なる3つのコースから選択することになります。
① ハウプトシューレ(基幹学校)
② レアルシューレ(実科学校)
③ ギムナジウム
これらのいずれかに進むのが一般的です。このように三分岐制にて中等教育が行われる学校制度は、日本とは大きく異なる点です。
① ハウプトシューレ(基幹学校)は5年制。卒業後は直ちに職業学校に進学すると同時に企業で受ける職業訓練「デュアルシステム(二元的職業教育制度)」を希望する学生が 多いそうです。
② レアルシューレ(実科学校)は6年制で、上述の「デュアルシステム」へ進む場合と専門上級学校や専門大学に進学する者が多いようです。
③ ギムナジウムは9年制で大学を目指すために大学入学資格(アビトゥーア)を獲得するための学校です。

ドイツのデュアルシステム(二元的職業教育制度)とは
では、本題の職業教育についてさらに話しを進めましょう。
先に触れた「デュアルシステム」ですが、これは義務教育(ハウプトシューレ、レアル シューレ)を修了した青少年だけでなく、ギムナジウム修了者(大学入学資格を有するもの)も希望することが可能で、実際に同一年齢の約70%の若者がこの教育を受けています。
訓練期間は職種や州により異なりますが、2年から3年半が一般的。この制度の特徴は、実践的な職業訓練を民間企業や公共事業体等の職場で、理論を職業学校で学ぶという実践と理論を同時に行う二元制度を取り入れている点です。
そしてまさにこの「デュアル システム」の存在がしっかりとした職人を育成し、結果「もの作りの王国・ドイツ」として君臨することとなる所以と言えるのではないでしょうか。
次回では、職業教育をさらにクローズアップし、「マイスター」へと近づいていきたいと思います。