
マリッジ? ウエディング?
日本では、「結婚指輪」のことを「marriage ring マリッジリング」とも呼びますが、「マリッジリングは結婚指輪の英訳」と疑いもなく思い込んでいる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに「marriage」も「ring」も英語ですので、間違いはなさそうに思われるかもしれません。
なによりもウエディング業界で「結婚指輪=マリッジリング」として捉えていますので、一般の方が疑問に感じられること自体が稀なことかもしれません。
しかし、結指輪の正しい英訳は「wedding band ウエディングバンド」もしくは「wedding ring ウエディングリング」が正解です。
アメリカでは前者が、ヨーロッパでは後者が一般的に使われています。「マリッジリング」という英語は、実際には存在していませんし、「マリッジリング」はまさに典型的な和製英語なのです。この事実に驚かれる方は少なくないと思います。
では、どうして欧米では「marriage(結婚、婚姻、縁組)」という単語ではなく、wedding とring(あるいはband)を組合わせた「wedding ring」が使われているのでしょうか。

「ウエディング」の本当の意味
「wedding」を辞書で調べてみますと、[wed(動詞):結婚する、…に嫁ぐ、夫(妻)にする]と書かれていて、中でも特に注目したい意味として「親密に(永遠の絆で)結びつける」あるいは、「堅く結びつける」とあります(参照:研究社・英和大辞典より)。
一方では「marriage」を調べてみますと、[marriage:結婚、婚姻、縁組]とあり、さらに[いろいろな事情についての特別な意味合いや感情的な含みはない]とあります。
特別な意味合いや感情的な含みがない「マリッジリング」という単語では、結婚指輪=夫婦の絆という意味を表現しきれていないことがお分かりいただけると思います。
欧米で「結婚指輪=マリッジリング」という言葉そのものが存在しないという理由はまさにここにあるのではないでしょうか。
「ウエディングリング」に含まれる本当の意味を知れば知るほど、結婚指輪が絆として大切なリング気づかされます。